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2023

【2023 Spring Camp in HAMAMATSU 体験記④】

2月12日(日)から2月17日(金)にかけて、浜松において3年ぶりにキャンプが行われました。

今回は、選手、幹部学生、運営陣のスタッフの4回に分けて体験記を公開いたします。

本日は、主務の体験記です。

ぜひご覧ください!


《2023 Spring Camp in HAMAMATSU 体験記》


○西村 豪朗(にしむら ごお)

3年/法学部/主務・アナリスト/早稲田実業


運営陣の長として出発前から最も危惧していたことは、この合宿が果たして成果のある行事となるか、という点である。結論から見ればチームとして非常に実りの多い、充実した期間になった。春季キャンプをチームに提案した頃から合宿の最中に至るまで、多少のごたつきこそあったが、期間を終え東京に帰ってきた今、そう強く実感している。


実りある期間にできた理由として、選手たちが懸命に練習に励んでくれたことは言うまでもない。合宿終盤相当疲れが溜まってきている中でも、手を抜かずにプレーしてくれた姿はとても頼もしく、そして誇らしく感じた。その上であえて言うが、幹部そしてスタッフ陣の努力や支え、踏ん張りがなければこの期間の充実は成し得なかっただろう。私の立場上、彼らの頑張りを間近で見る機会には恵まれており、この合宿中は特に一人一人の自覚と責任感の強さを改めて思い知らされた。無論、幹部やスタッフ、最上級生が頑張ることは当たり前である。しかし、頑張った人が日の目を見て、賛辞を送られることに異を唱える者はいないはずだ。この場を借りて、私にしか見えない視点で、大勢からは見えていない裏側の貢献を伝えるのもまた私の務めでもあるかと思う。少し冗長になってしまうが、思いの丈を書き連ねていきたい。


はじめに、今合宿期間における幹部4人の貢献は顕著だった。

合宿中、4人が集まってしていた野球の話は合計何時間に及んでいたのだろうか。私も参加した運営や日程決めの話を合わせると、毎晩平均して悠に3時間は超えていたのではないだろうか。それだけチームと真摯に向き合い、思考を重ね苦悩する姿が大変印象的だった。期間中私のルームメイトだった山地(スポ3/トレーナー/大和)の言葉を借りるが、「思考を重ねれば重ねるほど、100点は出せないかもしれないが限りなく正解には近づくことができる。だからこそ、話し合うこと考えることをやめてはならない。」ことを体現していた幹部だったと思う。彼らは1人でも多くの選手の活躍を心から願っていたし、新戦力の台頭を心待ちにしていた。もし選手の中に、自分は幹部達から見られていないと感じている学生がいるのならば、それは明確に間違いであると、そう自信を持って断言できる。


副主将の徳廣(文構3/内野手/国立)は、出発前から誰よりも野手の練習メニューを熟考し、最大限効率化を目指しながらも深い目的意識と思考力に基づきチームの課題と向き合っていた。一日目の夕食の際、その日に行ったケースノックの課題を炙り出そうと、私や蒲原(スポ3/捕手・アナリスト/神戸)を食事会場の同じテーブルに呼び出し意見を聞いてくれた徹底ぶりと探究心には正直驚かされた。彼がいたからこそ、合宿全体を通じて目的のブレがない練習を一貫して行うことができたはずだ。また、徳廣は出発前の段階から幹部の中で最も運営に協力してくれていた。候補地を探すところから始まり、いつだって鋭い意見で幾度となく私に助け舟を出してくれた。幹部として、また選手として一線級でプレーしながら運営に協力することは並大抵のことではないはずだが、労を惜しまずに力になってくれたこと、この場を借りて感謝を伝えたい。


宮内(教3/投手/早稲田実業)に関しても同様で、彼はここ1ヶ月投手起用、投手運営を考案していない時間がないくらい、人一倍の責任感を持って活動してくれている。特に、投手一人一人と積極的にコミュニケーションを取って、肩肘の状態に気を配っている姿が印象的だった。合宿中は球場からホテルまでの帰り道をランに変更したり、砂浜トレーニングを提案したり、クロストレーニングの一環として投手陣も内野ノックを行ったりと、全て宮内の発案で精力的に練習メニューの充実を図っていた。心なしかこの期間の投手陣がイキイキとして表情も晴れやかだったのは、宮内のモチベーション作り、雰囲気作りの賜物だろう。それに加え、不甲斐ない同期に対しては面と向かって言うべきことを言ってくれた姿に、今までの彼にはなかった強いリーダーシップを見た。3ヶ月前、彼を副主将にするかしないかを学年で議論していたあの時間は今思うと不毛だった。この合宿を通じて以前よりも尚更、確固たるリーダーに変貌を遂げたと心から感じた。


渡邉(社3/外野手/早稲田佐賀)は今回の合宿は就活の影響で残念ながら遅れての参加となったが、浜松駅まで迎えに行ったレンタカーの車内で朝早くからいきなりチームに対する熱い思いを聞かせてくれたことが強く印象に残っている。徳廣や宮内が渡邉のことを常々「新しい風を吹かしてくれる存在」と言っているがまさにその通りで、渡邉の合流後、より一層チームに活気と締まりが生まれたように私の目には映った。


最後に主将の春名(教3/内野手/早稲田大学高等学院)であるが、彼はこの合宿を通じて仲間からの信頼、そして主将としての格が一段も二段も上になったのではないだろうか。前述した3ヶ月前の学年ミーティングの際、春名主将の唯一の不安要素として挙げられていた、優しすぎる性格故の弱気な心や言うべきことをズバリ言えない歯切れの悪さは一切なくなるどころか、醜態続きの最上級生に対して心を鬼にして厳しい態度で接してくれた。春名が、3日目の夜に学年ミーティングを開こうと言ってくれたときには素直に嬉しかったし、あの場での春名の一言一言は、全員の心にすっと刺さっていたように感じた。「今のままでは下級生に申し訳が立たない。」という言葉には全員が胸を締め付けられる思いになったし、「できることなら4年生の力で頑張っていきたい。」という言葉には、モチベーションを見失いかけていた4年生にとっては初心を思い出させてくれる力強いメッセージとなったのではないだろうか。この合宿期間は、チームが名実ともに春名のチームとしてまとまっていく上での、大きなターニングポイントとなった気がしている。


そして何より、スタッフ陣の活躍を忘れてはならない。主務としての私の仕事は出発までの企画の段階で半分、出発してからの運営で残りの半分と思っていたが、そのどちらにおいても周囲の協力なしには何一つ成し遂げることはできなかった。特に運営面において下級生ながら絶大な貢献をしてくれた地主(文2/マネージャー/山手学院)には頭が上がらない。出発前の段階では、部員にアンケートを取るべき事柄について提案してくれたり、資料を作成してくれたり、私の情報伝達に漏れがある時にはすぐに指摘をしてくれたりと、主務よりも主務なのではないかというほど実働の部分を担ってくれていた。出発後では一日目の夜に、翌日の雨予報に際し緊急でバスの配車、練習割を組み直す必要があったが、50名ほどいる選手たちを効率よく捌くプランを作成することに私は苦慮していた。そんな折、唯一積極的にプランの立案に協力してくれ、賢明な判断で最適解を見つけ、理路整然とした表にまとめてくれた。その甲斐もあり、2ヶ所4チームに分かれて行った2日目の雨天練習の移動をミスなく終える事ができた。選手たちは何の気なしに指示されたバスに乗っていただけであると思うが、その裏には地主の聡明さがあり、円滑な活動を成り立たせていたという事実を強くここに表明しておきたい。運営のピンチを楽しめる性格の持ち主である彼女がいる限りは、今後このチームに何があろうと安泰であると改めて思い知らされた。


合宿の成果の中に、選手とスタッフとの距離が近づいたことも挙げられるだろう。部の公式インスタグラムにおいて期間中の目玉企画として毎日投稿されていたリール動画であるが、この企画は部の内外両面においてその効果は絶大だった。選手たちの迫力あるプレー動画を中心に一日の活動の様子をおしゃれに仕上げ、全世界に発信した計6日間のリール動画の合計リーチ数は15000回を超え、公式インスタグラム開設以来最高の数字を叩き出した。このリール動画については池田(スポ2/マネージャー/名東)が担当してくれ、持ち前のセンスの良さを活かし毎日練習後に1時間ほどかけて作成に励んでくれたが、合宿中盤からは選手たちからもこの動画に映りたいという声が多く見られ、期間中は間違いなくチームの話題の中心となっていた。撮影をしていく中で普段はグラウンドに出る機会の少ないマネージャー陣がイキイキとしていて、それに応えるかのように楽しそうにプレーしていた選手たちの姿はとても微笑ましく、目には見えない部分での合宿の効果を実感する事ができた。


部の会計担当であり、今回の合宿でもお金の管理を担ってくれた織田(教3/マネージャー/桐蔭学園)の仕事は、むしろ帰京後の支払いや返金、締め作業の方が大部分を占めるのではないかと思う。一人だけ、帰ってきても尚合宿と向き合い、残された仕事を終わらせなくてはならない大変さは人一倍であると思う。今回かかった費用について一部の学生から不満の声が上がっていることも事実で、コストカットを実現できなかったことは私も大きく反省している部分であるが、専門性の高い会計業務は代わりに務められる人間もいないため、抱え込まずにこれからも頑張ってほしい。


合宿中のルームメイトだったチーフトレーナーの山地とは、二人とも寝不足になりながらも毎晩熱い話を交わしたが、彼のトレーナーとしてのビジョンや選手たちへの想いは頭抜けており、ここまで芯の強い人間はいないと改めて痛感した。彼が期間中に行っていた選手全員との個人面談の様子を私は間近で見守っていたが、個人アップの際のストレッチの動きを具体的かつ明確に指示していたり、選手一人一人のコンディショニングに真摯に寄り添う彼の姿勢に、同期ながら尊敬の念を抱いた。彼の圧倒的な知識量から来る絶対の自信こそが、彼の話を選手たちが傾聴する源であり、彼の存在こそが部の大きな財産であると、この合宿を通じてつくづくと感じた。また、彼と共に働くトレーナー陣も合宿中はいつも以上により献身的にサポートしている様子が伺え、非常に頼もしく感じた。特に藤原(スポ2/トレーナー/南山)はトレーナー業務以外にも選手の送迎等運営面でも惜しみない協力をしてくれ、心から感謝している。


最後に、共にアナリストとして活動している蒲原にも触れておきたい。期間中は毎晩私の部屋に集まってラプソード測定結果の分析をしたり、野球談義を交わしたりと、彼のおかげで私自身も野球漬けの日々を送る事ができた。蒲原、徳廣、宮内、山地、大澤(文構2/投手/星野)、髙橋浩成(教2/投手/早稲田実業)、久保嶋(社2/内野手/桐蔭学園)、阿部剛士(社2/捕手/川和)、岡田(スポ2/投手・外野手/國學院大學久我山)と10名で熱い野球談義を交わした3日目の夜は、この合宿において最も有意義な時間となったと言っても過言ではない。選手とデータ班が物を言い合える風通しの良さと、信頼関係の構築を実感する事ができた貴重な時間だった。


部員のみならず、雨天時の練習場を快く貸していただいた浜松商業高校や、早朝から夕方まで暖かく迎え入れてくださった浜松球場の皆様、期間中多くの差し入れをいただいたOBや関係者、保護者の皆様をはじめ、ホテルヴィラくれたけやお弁当屋さん、バスの運転手さん等、多くのお世話になった方々全員に厚く御礼申し上げたい。


このように、私の視点から主に幹部学生やスタッフ陣の合宿に対する貢献を紹介させてもらったが、実際にはこんな4500文字程度の文量では伝えきれないほどの活躍があり、また協力してくれた全部員の支えも数えきれない。ここでは書き記すことのできなかった貢献の数々にも、本当は一つ一つその全てを取り上げ賛辞を送りたい。ただそれら全ての行動の原動力となったものは、この合宿を実りある時間にするためのそれぞれの熱意であったはずだ。全員のその熱意の矛先は、日本一になるという目標に向けられたものであるのだから、自分達でその目標を必ずや達成することで、今までの自分達の全ての頑張りを自分達で報いるしかないと私は思う。

この合宿での成果を胸に、一人でも多くの部員が同じ「PLAY FOR WIN」の旗を掲げ、ともに同じ景色を見に行けることを強く願っている。


今回をもちまして、2023 Spring Camp in HAMAMATSUの体験記は終了いたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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